騎士団長殺し1ー上

2019-12-22  本文已影响0人  飞翔的流鱼

「騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編 上」读后感

「印象は日によって変わる。よく写真に写された物体のわきに、実寸をわかりやすくするために煙草の箱が置いてあったりするが、私の記憶の映像のわきに置かれた煙草の箱は、そのときの気分次第で好き勝手に伸び縮みするみたいだ。」

「食事の支度をするしないだけではなく、もしそう望むなら食事なんかまったくとらず、勝手に飢える権利だって私にはある。」

「総じて言えば、理屈に合っているにせよ合っていないにせよ、最終的に何かしらの意味を発揮するのは、おおかたの場合おそらく結果だけだろう。結果は誰が見ても明らかにそこに実在し、影響力を行使している。」

「しかしその顔には、初対面の相手をひとまずほっとさせるものがあった。それは「大丈夫です。安心してください。私はそれほど悪い人間じゃありません。あなたにひどいことをするつもりはありませんから」と愛想良く語りかけているように見えた。」

「その秘密は鍵の掛かった小箱に入れられ、地中深く埋められている。それが埋められるのは昔のことで、今ではその上に柔らかな緑の草が茂っている。その小箱が埋められている場所を知っているのは、この世界で免色ひとりだけだ。私はそのような種類の秘密の持つ孤独さを、彼の微笑みの奥に感じとらないわけにはいかなかった。」

「そうなんだ。だからこそ頭の隅にひっかかっていたのかもしれない。でもそれがいつだったか、どういう経緯だったか、記憶が辿れない。なんだか、喉に魚の小骨はひっかかっているみたいな感じだ。」

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