日本独特の風習について
日本独特の風習についてお話ししているこのコーナー。この度は「挨拶」をテーマにを話したいと思います。あいさつはどこの国にでもあるものですが、それぞれの国での挨拶が及ぼす作用、意味が違います。日本の場合、挨拶にはどんな種類があるでしょか?そして挨拶をすることにどんな意味があるんでしょうか?
日本の小学校、中学校では「朝の会」「帰りの会」と呼ばれる小さな集会が毎日ありうます。朝の会ではみんな揃って先生に挨拶をし、今日の予定を聞きます。帰りの会ではやはりみんな揃って先生の話を聞き、挨拶をして家に帰ります。この時にする挨拶、何というと思いますか?そう、朝の会ではもちろん「おはようございます」。帰りの会では「さようなら」と言います。「さようなら」は人と死別したときなど永遠の別れに使われる挨拶ですが、「学校」の中では「定型の挨拶」として、「バイバイ」と言う意味で使われます。バイバイは過度に馴れ馴れしいので、年下から年上に人に向かって使われることはありません。
日本人は挨拶が好きです。学校と同じように、会社では朝事務所に入ったら必ず中の人に向かって「おはようございます」と言います。もちろん中国でも挨拶をする人がいると思いますが、日本は比率が違います。日本はほぼ全ての人が出社したら「おはようございます」と言います。言わないと「変なやつだ」と思われます。退勤時には「お疲れ様でした、お先に失礼します」と必ず言います。言わないと上司に呼び出され、人事考課では減点を食らうでしょう。挨拶をすることが既に「仕事の一部」と化しているところがあります。
何故ここまで挨拶を徹底するのか、答えはやはり「節目」です。これは以前にもお話ししましたが、日本人は物事の始まりと終わりを非常に重視する民族で、開始と終了をきっちりしないと気持ちが悪く感じるのです。中国人の結婚式などは新郎新婦入場の前に飲み食いが始まったりしていますが、あれが日本人には非常に不思議に感じます。「え?もう始まったの?食べていいの?」と言う気分です。いつ始まったのか、いつ終わったのかをモヤモヤされたくないんですね。朝のあいさつをすれば「これから仕事モードです」と自分にも周りにも知らせることができます。「お疲れ様でした。お先に失礼します」と言えば「仕事モード終了」を示すことができます。そうやって区切りをきっちり付けておくことにある種の「美しさ」を感じるのが日本人の感性だと私は思っています。
なので、日本人は「規則」「節目」がない場所に放り込まれると、どうしていいか分からなくなります。例えば一昔前の中国の道路。横断歩道なのにガンガン車が突っ込んできたり、信号がただの飾りにも思えるような乱れた交通ルール。こういう中で規則を求めてもしょうがないので、自力で自分がその道を渡す、生き延びる手段を探さなければならないのですが、どうしても「規則」を探してしまいます。結局何分経っても渡ることができなかったり...
ちょっと話が飛躍しましたね。日本人は中国企業で仕事をすれば、入ったばかりの時は同僚が朝無言で事務所に入ってきて無言で仕事を始め、退勤時間になったら無言で去っていく姿に心底驚きました。驚きましたがそれを見て「礼儀がなっていない」などと怒る気持ちは勿論ありません。そこはお互いの文化の違い。理解しあって互いに楽しく過ごせればそれでいいですよね。
「及ぼす」およぼす。have an influence on... 大きな影響をおよぼす。
「揃う」そろう。〜か所に集まる。 get...together, gather..
「別れ」〖別れること〗(a) parting ; 【離別】(a) separation ; 〖別れの言葉〗(a) good-by (!good-bye とつづるのは ⦅主に英⦆ ) , ⦅書⦆ (a) farewell.
「馴れ馴れしい」失礼に感じられるほどに,親しそうにふるまう様子だ。あまりに遠慮がなさすぎる。(too) familiar ; too friendly ; 〖無遠慮すぎる〗too free.
「化する」かする。〖変化する〗change [turn] ⦅into, to⦆; 〖感化する〗influence.
「節目」ふしめ【転機】a turning pòint ; 【大事な時】a(major [decisive]) juncture 〘in one's life〙.
【転機】a túrning pòint ; 【大事な時】a(major [decisive]) juncture 〘in one's life〙.【転機】a túrning pòint ; 【大事な時】a(major [decisive]) juncture 〘in one's life〙.
「飲み食い」のみくい 「ある種の」some kind of...
「放り込む」ほうりこむ。throw... in/into.... 「飾り」かざり
「怒る」おこる