【日语共读】《心》夏目漱石(137)
《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
「私は奥さんの態度を色々綜合(そうごう)して見て、私がここの家(うち)で充分信用されている事を確かめました。
“我综合分析了夫人的种种神情,证实了我在这个家里是被充分信任的。
しかもその信用は初対面の時からあったのだという証拠さえ発見しました。
甚至还发现了从刚一见面时就得到她信任的证据。
他(ひと)を疑(うたぐ)り始めた私の胸には、この発見が少し奇異なくらいに響いたのです。
这一发现,在我那开始疑忌旁人的内心中,有点奇异地回响起来。
私は男に比べると女の方がそれだけ直覚に富んでいるのだろうと思いました。
在这一点上,我觉得女人要比男人富于直觉
同時に、女が男のために、欺(だま)されるのもここにあるのではなかろうかと思いました。
同时也觉得,女人被男人欺骗不也正在于此吗?
奥さんをそう観察する私が、お嬢さんに対して同じような直覚を強く働かせていたのだから、今考えるとおかしいのです。
我这样看待夫人,却又对小姐怀着强烈的同样的直觉,现在想来真是可笑。
私は他(ひと)を信じないと心に誓いながら、絶対にお嬢さんを信じていたのですから。それでいて、私を信じている奥さんを奇異に思ったのですから。
我一面暗暗发誓不再相信别人,一面又绝对信任小姐,然而对信任我的夫人却又奇怪。
私は郷里の事について余り多くを語らなかったのです。
至于故乡的事情,我讲的并不多
ことに今度の事件については何もいわなかったのです。
特别是这回被叔叔欺骗的经过,只字未提。
私はそれを念頭に浮べてさえすでに一種の不愉快を感じました。
甚至一想起这件事,我就很不愉快。
私はなるべく奥さんの方の話だけを聞こうと力(つと)めました。ところがそれでは向うが承知しません。何かに付けて、私の国元の事情を知りたがるのです。
我总想尽量只听听夫人的,但是光这样她们不答应,要我说点什么。她们总要知道一些我故乡的情形。
私はとうとう何もかも話してしまいました。私は二度と国へは帰らない。帰っても何にもない、あるのはただ父と母の墓ばかりだと告げた時、奥さんは大変感動したらしい様子を見せました。お嬢さんは泣きました。私は話して好(い)い事をしたと思いました。私は嬉(うれ)しかったのです。
最后我终于全都说了,当我告诉她们再也不回故乡了,就是回去也一无所有,只有父母的坟墓时,夫人显出非常感动的样子,小姐哭了。我觉得我说出真象来是做对了,于是暗暗高兴起来。
私のすべてを聞いた奥さんは、はたして自分の直覚が的中したといわないばかりの顔をし出しました。
夫人听了我的一切,那神色仿佛在说果然没有看错。
それからは私を自分の親戚(みより)に当る若いものか何かを取り扱うように待遇するのです。私は腹も立ちませんでした。むしろ愉快に感じたくらいです。ところがそのうちに私の猜疑心(さいぎしん)がまた起って来ました。
从那以后,她待我就象对待自己的晚辈亲戚似的。我一点没生气,倒觉得很愉快。但是不久,我的疑虑又冒头了。
主播介绍
本期主播:草微
本期编辑:LMN
责任编辑:日语之声
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