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【日本文学】《蒼い時》山口百惠自传(12)

2019-03-18  本文已影响2人  日语之声

今天,由主播 米娅 继续为我们带来

山口百惠的自传——苍茫时分



蒼い時(12)

出生(9)

母への手紙。旅先から。

外を走る車の音が濡れています、今日のミラノはまるで冬に逆戻りしたように寒い一日でした。五月のミラノ。もう、こちらは暑いくらいと聞いていたものですから、持ってきた着替えも夏物ばかりです。寒さをしのげそうな上着が一枚も持って来ていなくて、寒風に身をさらしての撮影になりました。初めて訪れたこの町、立ち並ぶ建物はすべて灰色で、今日のような悪天候の日は特に暗い町に感じます。けれど、東京の町に感じるような冷たさはないように思います。近代化されすぎた都会の真っ白いビルの中では人々が呼吸して生きているということが信じられないのに、この町の古い壁の中での人々の息吹は厚い壁を通り抜けて、町全体に染みづいているような気がするのです。今日午後、少し時間があったので、通りをふらっと歩いて見ました。途中で何気なく、でも、何かに誘われるような思いで入ってみたカフェーが素敵でした。ウィンドーにはその店の自慢なんでしょう、可愛らしい小さなケーキやチョコレートが所狭しと並んでいました。甘い物好きな私としては見逃せません。あき時間全部を費やすつもりで、奥へ。きれいでした。かなり古くなったそのお店は天井が高く、広々とした感じで、形よく並べられたテーブルの上には淡いピンクのテーブルクロース。そして一つ一つのテーブルに飾られている花も偶然なのか、意識してなのか、淡い悲しげなピンク。老夫婦が午後のデートをしています。それも婦人のほうは薄いピンクのスーツを着ていて、それがその店にぴったりマッチしていて、とても暖かい気持ちで、カフェーカプチーノを飲みました。東京を離れてからまだ五日しか経っていないのに、不思議とずいぶん長い間会っていないような気がしてなりません。

    

旅途中写给母亲的信

外面的车,飞驰而过,呼啸之音沾满湿润。今天,倒春寒造访了米兰。听说五月的米兰已是骄阳似火,所以这次带来的衣服都是夏装,没有可御寒的。这些相片是拍摄在萧萧冷风中。

第一次来到这个城镇,鳞次栉比的建筑物全是灰色调,加上今天这样冷的天气,让人感觉格外压抑。这里的凉不同于东京街头那种刺骨的冷。现代都市的白色楼群,很难让人相信这里有生命的气息,但我却感到城市里那些古老的建筑中跳动着的人们呼吸的韵律,且穿过厚厚墙壁,溢满整条街道。

今天午后,稍有空闲,在街上信步而行,途中,无意却又似被某种引力吸引那样,不由自主地走向一家精致的咖啡馆。橱窗里摆放了很多精致小巧的点心和巧克力,这些也许是那家店的特色吧。喜好甜食的我无法抵抗这份诱惑。打算在这里度过全部余暇时间,想到这些,推门入内,眼见一切令人叹服。流淌着古色古风氛围的那家店的天顶很高,给人阔朗的感觉,整齐排列的桌上铺着淡粉色的桌布,不知道是巧合还是有意,装饰在每张桌子上的朵朵小花儿也是淡淡的粉色,透出一抹淡淡的哀愁。一对老夫妇在约会,那位夫人也穿着粉色套衣,和周围色调融为一体,以恬静淡然的心情喝着咖啡。离开东京仅过五日,感觉像却是过了许久。

单词:

濡(ぬ)れる:湿润

ミラノ:米兰

着替(きが)え:v.换的衣服

息吹(いぶき):气息

通(とお)り:街道

何気(なにげ)ない:无意

見逃(みのが)す:放过、错过

費(つい)やす:花费、耗费、消耗

テーブルクロース:桌布

本期主播

主播/米娅

编辑/reno

责编/日语之声

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