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【日语共读】《心》夏目漱石(115)

2019-01-14  本文已影响1人  日语之声

       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。

   「とにかくたった一人取り残された私(わたくし)は、母のいい付け通り、この叔父(おじ)を頼るより外(ほか)に途(みち)はなかったのです。叔父はまた一切(いっさい)を引き受けて凡(すべ)ての世話をしてくれました。そうして私を私の希望する東京へ出られるように取り計らってくれました。

 私は東京へ来て高等学校へはいりました。その時の高等学校の生徒は今よりもよほど殺伐(さつばつ)で粗野でした。私の知ったものに、夜中(よる)職人と喧嘩(けんか)をして、相手の頭へ下駄(げた)で傷を負わせたのがありました。それが酒を飲んだ揚句(あげく)の事なので、夢中に擲(なぐ)り合いをしている間(あいだ)に、学校の制帽をとうとう向うのものに取られてしまったのです。ところがその帽子の裏には当人の名前がちゃんと、菱形(ひしがた)の白いきれの上に書いてあったのです。それで事が面倒になって、その男はもう少しで警察から学校へ照会されるところでした。しかし友達が色々と骨を折って、ついに表沙汰(おもてざた)にせずに済むようにしてやりました。こんな乱暴な行為を、上品な今の空気のなかに育ったあなた方に聞かせたら、定めて馬鹿馬鹿(ばかばか)しい感じを起すでしょう。私も実際馬鹿馬鹿しく思います。しかし彼らは今の学生にない一種質朴(しつぼく)な点をその代りにもっていたのです。当時私の月々叔父から貰(もら)っていた金は、あなたが今、お父さんから送ってもらう学資に比べると遥(はる)かに少ないものでした。(無論物価も違いましょうが)。それでいて私は少しの不足も感じませんでした。のみならず数ある同級生のうちで、経済の点にかけては、決して人を羨(うらや)ましがる憐(あわ)れな境遇にいた訳ではないのです。今から回顧すると、むしろ人に羨ましがられる方だったのでしょう。というのは、私は月々極(きま)った送金の外に、書籍費、(私はその時分から書物を買う事が好きでした)、および臨時の費用を、よく叔父から請求して、ずんずんそれを自分の思うように消費する事ができたのですから。

 

   “总之,只剩下我一个人了。除了按照母亲的嘱咐依赖这位叔叔之外,也没有别的办法了。叔叔接受了一切,又关照我的一切,而且答应了我的要求,让我去东京。

    我到东京上了高中。那时候的高中生要比现在粗野、凶狠得多。我的一个熟人晚上同职工打架,用木屐打破了对方的脑袋。那是饮酒的结果。在打得难解难分之际,那人的学校制帽终于给对方抢去了。帽子衬里的菱形白布片上,清清楚楚地写着他的名字。这下就麻烦了,那人险些遭到警察给学校的照会。幸而有朋友们多方周旋,总算未经起诉便告了结。你们成长在今天这样文雅的气氛中,听到这么粗野、荒唐的事情,一定会觉得非常愚蠢吧。其实我也觉得很愚蠢。然而,他们却有一种现在的学生所没有的质朴。那时候,叔叔每月给我的钱,要比现在你父亲寄给你的学费少多了(当然物价也不一样)。但是我没有丝毫不满。而且在有数的同学们之中,还决不至于可怜到在经济上羡慕别人的地步。如今想来:也许倒是被别人羡慕的吧。因为我除了每月固定的汇款外,还常常向叔叔要买书钱(我从那时起就喜欢买书)和一些临时费用,可以很快随心所欲地花掉。

   

 

主播介绍

本期主播:あや

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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