日语

民俗物語|ぬかダンゴ-糠丸子

2019-03-13  本文已影响0人  日语小五

むかしむかし、田舎

いなかのお百姓ひゃくしょう

さんが、初めて江戸えど(東京都)へ出て来ました。

很久很久以前,乡下的一个庄稼人第一次来到江户(东京都)。

「ごめんなさい。今晩、泊と

めてください」お百姓さんが、宿屋やどや

の前でそう言うと、「はい、ただいま。さあ、どうぞどうぞ」宿屋の女中

じょちゅうさんは、お百姓さんを部屋に案内

あんないしながら言いました。「ご飯を先にしますか?それともお風呂

ふろにしますか?」

「打扰了。今晚,请让我住在这里吧」庄稼人在客栈前这样说道。「好的,来了。请进请进」客栈女服务员一边把庄稼人让进屋里,一边问他「先吃饭吗?还是先洗澡?」

「へえ、お風呂に入れてもらいましょう」

「恩,先洗澡吧」

「では、こちらへ」お百姓さんは女中さんに案内されて、お風呂場へ行きました。

「那么,请这边请」庄稼人由女服务员带路,往澡堂走去。

お風呂場には、ぬかと塩

しおが置おいてありました。

澡堂里放着糠和盐。

むかしは石いしけんも歯は

ブラシもなかったので、ぬかで顔を洗い、塩で歯をみがいたのです。

以前没有肥皂和牙刷,所以是用糠洗脸,用盐刷牙的。

でも、このお百姓さんは、そんな事は知りません。

但是,庄稼人不知道这回事。

「はあ、これはきっと、ぬかダンゴを作って食べろというんだな」そう思い、ぬかに塩を入れて水でねり、ダンゴを作って食べました。

「啊,这一定是做糠丸子吃的」这样想着,就在糠里加入盐,再用水揉和,做了丸子吃掉了。

「こりゃうまい。こいつは、なかなか上等

じょうとう

なぬかじゃ」お百姓さんは、ぬかダンゴをすっかり食べてしまいました。

「这真好吃。这可是上等的糠啊」庄稼人把整个糠丸子都吃掉了。

さて、お風呂からあがって部屋にもどると、女中さんがご飯を持って来ました。

洗完澡回到房间后,女服务员端来了饭菜。

それを見て、お百姓さんが言いました。「おら、お風呂でぬかダンゴを食ったから、もう、お腹

なか

がいっぱいじゃ」

庄稼人看到后,就说到「我在澡堂里吃过糠丸子了,肚子已经饱了」

「えっ?ぬかダンゴ?」

「咦?糠丸子?」

「ああ、とてもうまかったよ」

「是啊,很好吃哦」

女中さんは、ビックリしました。でも、お百姓さんに恥

はじ

をかかせてはいけないと思って、そのままご飯をさげました。

女服务员吃了一惊。但是,为了不让庄稼人感到不好意思,就把饭端了下去。

(もしかしたら、明日の朝も顔を洗う時に、ぬかを食べてしまうかもしれない。)

(莫非,明天早上洗脸的时候,也让我吃糠吧。)

親切

しんせつ

な女中さんは、ぬかと塩の代

わりに、おもちを置いてあげました。

而细心的女服务员却把糠和盐换掉,放了年糕。

さて次の朝、お百姓さんがお風呂場に行ってみるとどうでしょう。

第二天早上,庄稼人又去了浴室。

ほかのお客さんは、ぬかを手ぬぐいに包

つつ

んで顔を洗っているのです。

其他的客人正用棉布包着糠在洗脸。

「何と、ぬかは顔を洗うもんだったか。こりゃ、とんでもない恥をかいてしまった」

「原来糠是用来洗脸的啊。这可真是丢死人了」

さて、お百姓さんが顔を洗おうとすると、目の前におもちが置いてあります。「よし、今度は間違

まちが

わないぞ」

于是,庄稼人去洗脸,他的面前摆着年糕。「好嘞,这次一定不能再出错了」

お百姓さんはおもちを手ぬぐいに包んで、ごしごしと顔を洗いました。

庄稼汉就用棉布包着年糕,使劲地洗起脸来。

するとおもちがとけて、顔にベタベタとつきました。

而年糕化了,黏在了脸上。

それでもお百姓さんは、うれしそうに言いました。「やれやれ、今日は恥をかかずにすんだわい」

可是那庄稼人却还很高兴地说道「哎呀哎呀,这次总算没有丢人了」

ところが顔は、おもちだらけです。

可是,脸上沾满了年糕。

それを見た女中さんは、とうとう腹

はら

をかかえて大笑

おおわら

いしました。

看到这一幕的女服务员忍不住捧腹大笑。

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