【日语共读】《心》夏目漱石(90)
心
《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
私は我(が)を張る訳にも行かなかった。どうでも二人の都合の好(い)いようにしたらと思い出した。
「つまり私のためなら、止(よ)して下さいというだけなんです。陰で何かいわれるのが厭(いや)だからというご主意(しゅい)なら、そりゃまた別です。あなたがたに不利益な事を私が強いて主張したって仕方がありません」
「そう理屈をいわれると困る」
父は苦い顔をした。
「何もお前のためにするんじゃないとお父さんがおっしゃるんじゃないけれども、お前だって世間への義理ぐらいは知っているだろう」
母はこうなると女だけにしどろもどろな事をいった。その代り口数からいうと、父と私を二人寄せてもなかなか敵(かな)うどころではなかった。
「学問をさせると人間がとかく理屈っぽくなっていけない」
父はただこれだけしかいわなかった。しかし私はこの簡単な一句のうちに、父が平生(へいぜい)から私に対してもっている不平の全体を見た。私はその時自分の言葉使いの角張(かどば)ったところに気が付かずに、父の不平の方ばかりを無理のように思った。
父はその夜(よ)また気を更(か)えて、客を呼ぶなら何日(いつ)にするかと私の都合を聞いた。都合の好(い)いも悪いもなしにただぶらぶら古い家の中に寝起(ねお)きしている私に、こんな問いを掛けるのは、父の方が折れて出たのと同じ事であった。私はこの穏やかな父の前に拘泥(こだわ)らない頭を下げた。私は父と相談の上招待(しょうだい)の日取りを極(き)めた。
その日取りのまだ来ないうちに、ある大きな事が起った。それは明治天皇(めいじてんのう)のご病気の報知であった。新聞紙ですぐ日本中へ知れ渡ったこの事件は、一軒の田舎家(いなかや)のうちに多少の曲折を経てようやく纏(まと)まろうとした私の卒業祝いを、塵(ちり)のごとくに吹き払った。
「まあ、ご遠慮申した方がよかろう」
眼鏡(めがね)を掛けて新聞を見ていた父はこういった。父は黙って自分の病気の事も考えているらしかった。私はついこの間の卒業式に例年の通り大学へ行幸(ぎょうこう)になった陛下を憶(おも)い出したりした。
主播介绍
本期主播:棕残
本期编辑:LMN
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