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【日语共读】《心》夏目漱石(184)

2019-05-17  本文已影响1人  日语之声



《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。

  その晩私はいつもより早く床(とこ)へ入りました。私が食事の時気分が悪いといったのを気にして、奥さんは十時頃蕎麦湯(そばゆ)を持って来てくれました。しかし私の室(へや)はもう真暗(まっくら)でした。奥さんはおやおやといって、仕切りの襖(ふすま)を細目に開けました。洋燈(ランプ)の光がKの机から斜(なな)めにぼんやりと私の室に差し込みました。Kはまだ起きていたものとみえます。奥さんは枕元(まくらもと)に坐って、大方(おおかた)風邪(かぜ)を引いたのだろうから身体(からだ)を暖(あっ)ためるがいいといって、湯呑(ゆのみ)を顔の傍(そば)へ突き付けるのです。私はやむをえず、どろどろした蕎麦湯を奥さんの見ている前で飲みました。

    那天晚上我睡得比平时早些。夫人还惦记着我心情不好,十点钟给我端来一碗荞麦汤。我的房间已经全黑了。夫人‘喂,喂’地叫了两声,把隔壁的隔扇打开一条窄缝。一束洋灯光从K的桌上朦朦胧胧地斜射在我的房间中。K好象还没睡。夫人坐在我的枕边说,大概是感冒了,喝下去暖暖身子吧。说着把碗送到我的脸旁。我没有办法,就在夫人前面把稠糊糊的面汤喝了下去。

  私は遅くなるまで暗いなかで考えていました。無論一つ問題をぐるぐる廻転(かいてん)させるだけで、外(ほか)に何の効力もなかったのです。私は突然Kが今隣りの室で何をしているだろうと思い出しました。私は半ば無意識においと声を掛けました。すると向うでもおいと返事をしました。Kもまだ起きていたのです。私はまだ寝ないのかと襖ごしに聞きました。もう寝るという簡単な挨拶(あいさつ)がありました。何をしているのだと私は重ねて問いました。今度はKの答えがありません。その代り五、六分経ったと思う頃に、押入(おしいれ)をがらりと開けて、床(とこ)を延べる音が手に取るように聞こえました。私はもう何時(なんじ)かとまた尋ねました。Kは一時二十分だと答えました。やがて洋燈(ランプ)をふっと吹き消す音がして、家中(うちじゅう)が真暗なうちに、しんと静まりました。

    直到很晚,我还在黑暗中思索着。当然翻来覆去,只围绕着一个问题,然而毫无办法。突然我想到K在邻室正干什么呢?便下意识地叫了声:‘喂!’于是对方也应了一声:‘唉’。K还没有睡下。我隔着隔扇问,还没睡么?他简单地答道就睡。我又问,干什么呢?这回K没有回答。可是大约过了五、六分钟的时候,清晰地听到‘哗啦’一声打开橱柜,好象是在铺被子的声音。我又问几点了?K答道一点二十。过了一会儿,只听‘扑’的一声吹灭了油灯,整个房间在漆黑中静寂下来。

  しかし私の眼はその暗いなかでいよいよ冴(さ)えて来るばかりです。私はまた半ば無意識な状態で、おいとKに声を掛けました。Kも以前と同じような調子で、おいと答えました。私は今朝(けさ)彼から聞いた事について、もっと詳しい話をしたいが、彼の都合はどうだと、とうとうこっちから切り出しました。私は無論襖越(ふすまごし)にそんな談話を交換する気はなかったのですが、Kの返答だけは即坐に得られる事と考えたのです。ところがKは先刻(さっき)から二度おいと呼ばれて、二度おいと答えたような素直(すなお)な調子で、今度は応じません。そうだなあと低い声で渋っています。私はまたはっと思わせられました。 

    然而,我的眼睛却在这黑暗中越来越清亮。我又在半无意识的状态下,对K‘喂’了一声。K也‘唉’了一声,语调同刚才一样。我很想跟他详细地谈谈今天早上他讲的事情,却不知他是否愿意听,终于没能说出口。当然我也不愿意隔着隔扇跟他谈这件事,可又总想马上得到他的回答。刚才我叫了他两次,他两次都简单地答了声‘唉’,这次没有应声。他却小声咕噜着:‘是这样呵’。这一下,又使我吃了一惊。

主播介绍

本期主播:あや

本期编辑:晋助

责任编辑:日语之声   

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