【晚安日语】04.12日|父の歌
皆さん、こんばんは。お休み日本語へようこそ。
Katyaです。
今日朗読したのは『父の歌』。
父の歌
父は若い頃から、母に贈り物などした事がなかった。誕生日と言っても、例外ではなかった。母もそれに慣れてしまい、特に不満も感じなかったが、先日、ささいなことで口喧嘩をしたおり、母は腹立ちまぎれんに
父亲从年轻时代起就没有送过母亲礼物之类的东西。即使是生日也毫不例外。对此,母亲早已习以为常,并未觉得有什么不满之处,直到前几天两人因为一些小事发生口角,母亲才大发雷霆质问父亲说:
「誕生日じゃゆうても、歌のひとつ、ハンカチの一枚もくれたことないじゃないね」
“就算是过生日,你也没有给我唱过一首歌、没有送过一块手绢吧!?”
と父をなじってしまったと言うのだ。根が真面目な父である。母の誕生日に特別贈り物をしなくても、折に触れて母の好物の魚を買って来ては自分でさばき、ふるまった。父が母に贈り物をしないのは、ただ父のちょっとした臆病さからだと言う事は、母も私も充分に承知していた。父は母を喜ばせたいあまり、自分の選んだ物を母が気に入らなかったらどうしようと、考えたのである。
这就是我那位木讷的父亲。虽说母亲过生日时他没有特意买过什么礼物,一有机会他还是会买回母亲爱吃的鱼,然后亲自剖开洗净、下厨烹饪。母亲和我都知道,父亲之所以不买礼物给母亲,只不过是因为它稍微有些胆小罢了。他太希望能够让母亲开心,以至于担心倘若自己选的礼物母亲不喜欢该怎么办。
それからというもの、父は庭の手入れや一人で畑仕事をする時、しきりに歌を口ずさむ様になった。母と私は、わざと知らない振りを通した。母や私が近づく気配がすると、父はピタリと口を噤んでしまうからだ。
从那以后,每当父亲一个人打理院子,或者一个人在田里干活儿的时候,他都会时不时哼些小曲。我和母亲总是佯装不知地从他身边经过。因为一旦发现我和母亲走近了,他会立刻缄口停止。
母の誕生日には、少しぜいたくな食卓になる。刺身に煮付け、母は珍しくワインも口にする。私は小遣いを工面して買った細やかなプレゼントを渡す。いつもの母の誕生日の風景だった。ケーキの蠟燭に火を灯す頃、父が小さく口ずさみ始めた。母の真正面で、時折目を浮かせながら、父は母の為に歌を歌った。
母亲生日那天,我们的餐桌比平时奢侈了一些:生鱼片、炖菜,还有母亲平日里很少喝的红酒。我用攒下的零花钱给母亲买了一份小小的礼物。这是我们家母亲过生日时一贯的场景。在给蛋糕点蜡烛时,父亲开始小声地哼唱起来。他在母亲正对面,偶尔抬起视线,为母亲唱了一首歌:
「忘れられないの。あの人が好きよ」
“无法释怀,那人吾爱”
いつか流行った歌謡曲だった。やっと歌い終えた父は、母に言った
那是一首曾经流行过的歌曲。终于唱完之后父亲对母亲说:
「誕生日、おめでとう。こんなで良かったら、毎年、歌うちゃるけェ。」
“生日快乐!如果这样可以的话,那我每年都给你唱”
少しずれた音程で、気真面目に歌う父の姿を今でも思い出すと、母は嬉しそうだ。
每当回想起彼时父亲有些跑掉但却无比认真地唱歌的身影,母亲至今都似乎十分开心。
父はその後七回、約束通り、母の誕生日の度に歌った。
在那之后,按照约定,父亲一共为母亲的生日唱过7次歌。


では今日はこれで、どうもありがとうございました。
皆さん、おやすみなさい。
END

主播:Katya
小编:番薯
责编:日语之声
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