【日本文学】猫的事务所(03)
任何事都是可能的。
人可以一瞬之间飞跃于冰云之上,随着大循环之风去北方旅行,也可以伏在红色花环下,与蚂蚁交谈,就连犯下的过错和难以言喻的悲哀,在这里也会变得圣洁。
这里所讲述的故事,都是树林、原野、铁道线、彩虹和月光所赐予的:茂密的森林、风与影、夜来香、奇妙的都市、延伸至白令市的电线杆的行列……实在是一个奇异的乐园。
宫泽贤治用他短暂的37年生命,留给世人足以流传千年的经典童话。这位“代表日本的国民作家”,活着的时候,因为他的童话有着“太过强烈的个性”而遭到拒绝,仅仅自费出版了一部童话集,而且连一本也没有卖出去。死去之后,他因为这些无与伦比的童话作品而获得巨大的“重生”。
猫的事务所 03
それから又五六日たって、丁度これに似たことが起ったのです。こんなことがたびたび起るわけは、一つは猫どもの無精なたちと、も一つは猫の前あし即ち手が、あんまり短いためです。今度は向うの三番書記の三毛猫が、朝仕事を始める前に、筆がポロポロころがって、とうとう床に落ちました。三毛猫はすぐ立てばいいのを、骨惜みして早速前に虎猫のやった通り、両手を机越しに延ばして、それを拾い上げようとしました。今度もやっぱり届きません。三毛猫は殊にせいが低かったので、だんだん乗り出して、とうとう足が腰掛けからはなれてしまいました。かま猫は拾ってやろうかやるまいか、この前のこともありますので、しばらくためらって眼をパチパチさせて居ましたが、とうとう見るに見兼ねて、立ちあがりました。
那之后又过了五六天,发生了一件跟上述差不多的事。这样的事不时出现,一是因为猫们的懒惰,另一个原因是猫的前脚,也就是手,太短了。这次是对面的三号秘书三毛猫,在早上的工作开始之前,让手里的笔骨碌骨碌滚落地面。本来三毛猫立刻站起来就好了,但它懒得动,就像上次虎皮猫那样伸长双手,越过桌子去捡。但果然还是够不着。三毛猫的个头特别小,身体越向外探,就离椅子越远。灶猫本想帮它捡,但有了前车之鉴,这次它犹豫地眨了眨眼,终于还是看不下去,站起身来。
ところが丁度この時に、三毛猫はあんまり乗り出し過ぎてガタンとひっくり返ってひどく頭をついて机から落ちました。それが大分ひどい音でしたから、事務長の黒猫もびっくりして立ちあがって、うしろの棚から、気付けのアンモニア水の瓶を取りました。ところが三毛猫はすぐ起き上って、かんしゃくまぎれにいきなり、
「かま猫、きさまはよくも僕を押しのめしたな。」とどなりました。
今度はしかし、事務長がすぐ三毛猫をなだめました。
「いや、三毛君。それは君のまちがいだよ。
就在此时,三毛猫却由于身体向外探过了头,咕咚一声,头朝下猛地从桌面翻倒在地,发出剧烈的碰撞声,连所长黑猫都被吓得站起身来,从身后的架子上取下需转送的氨水瓶。三毛猫立刻爬起来,极为愤怒地大吼:
“灶猫,你这家伙居然敢推我!”
这回,所长马上开始安慰三毛猫。
“不,三毛君。你搞错了。
かま猫君は好意でちょっと立っただけだ。君にさわりも何もしない。しかしまあ、こんな小さなことは、なんでもありゃしないじゃないか。さあ、ええとサントンタンの転居届けと。ええ。」事務長はさっさと仕事にかかりました。そこで三毛猫も、仕方なく、仕事にかかりはじめましたがやっぱりたびたびこわい目をしてかま猫を見ていました。
こんな工合ですからかま猫は実につらいのでした。
かま猫はあたりまえの猫になろうと何べん窓の外にねて見ましたが、どうしても夜中に寒くてくしゃみが出てたまらないので、やっぱり仕方なく竈のなかに入るのでした。
灶猫是出于好意才站起来的,并没有碰到你。不过这种小事也没什么关系。对了,这是三敦堂的迁居申请,你去办吧。”所长很快进入了工作状态。三毛猫没办法,只好也开始工作,但还是不时将凶狠的目光射向灶猫。
像这样,灶猫的处境实在很不容易。
灶猫也曾为了变得像普通的猫一样,多次尝试睡在窗外,却总在半夜冷得不停打喷嚏,最终还是没办法,又回到了炉灶里。
なぜそんなに寒くなるかというのに皮がうすいためで、なぜ皮が薄いかというのに、それは土用に生れたからです。やっぱり僕が悪いんだ、仕方ないなあと、かま猫は考えて、なみだをまん円な眼一杯にためました。
けれども事務長さんがあんなに親切にして下さる、それにかま猫仲間のみんながあんなに僕の事務所に居るのを名誉に思ってよろこぶのだ、どんなにつらくてもぼくはやめないぞ、きっとこらえるぞと、かま猫は泣きながら、にぎりこぶしを握りました。
要问为什么它这么怕冷,是因为毛皮太薄了。为什么毛皮这么薄,因为它是暑天出生的。都是我自己不好,没办法啊。灶猫这样想着,圆圆的眼睛里盛满了泪水。
可是所长对我那么好,灶猫伙伴们也都因为我在事务所工作而感到光荣,即便再苦我也不能辞职啊,一定要坚持下去!灶猫哭着握紧了拳头。
ところがその事務長も、あてにならなくなりました。それは猫なんていうものは、賢いようでばかなものです。ある時、かま猫は運わるく風邪を引いて、足のつけねを椀のように腫らし、どうしても歩けませんでしたから、とうとう一日やすんでしまいました。かま猫のもがきようといったらありません。泣いて泣いて泣きました。納屋の小さな窓から射し込んで来る黄いろな光をながめながら、一日一杯眼をこすって泣いていました。
その間に事務所ではこういう風でした。
「はてな、今日はかま猫君がまだ来んね。遅いね。」と事務長が、仕事のたえ間に云いました。
然而所长也不那么靠得住。因为猫这种动物只是看起来聪明。有一回,灶猫不幸感冒了,腿根肿得碗口大,走不了路,只能休息一天。它心中别提多焦急了,哭啊哭啊,望着射进杂物间小窗里的黄色光线,一整天都在揉着眼睛以泪洗面。
这期间,事务所内发生了这样的对话。
“奇怪,今天灶猫君怎么还没来,都这么晚了。”所长在工作间隙时说。
「なあに、海岸へでも遊びに行ったんでしょう。」白猫が云いました。
「いいやどこかの宴会にでも呼ばれて行ったろう」虎猫が云いました。
「今日どこかに宴会があるか。」事務長はびっくりしてたずねました。猫の宴会に自分の呼ばれないものなどある筈はないと思ったのです。
「何でも北の方で開校式があるとか云いましたよ。」
「そうか。」黒猫はだまって考え込みました。
“我看呀,说不定是跑到海边玩儿去了。”白猫说。
“也可能是被邀请参加哪里的宴会去了吧。”虎皮猫说。
“今天哪里有宴会吗?”所长惊奇地问。它心想,猫群召开宴会怎么可能不邀请自己呢。
“据说北边有一个建校典礼呢。”
“是吗。”黑猫暗自寻思着。
「どうしてどうしてかま猫は、」三毛猫が云い出しました。「この頃はあちこちへ呼ばれているよ。何でもこんどは、おれが事務長になるとか云ってるそうだ。だから馬鹿なやつらがこわがってあらんかぎりご機嫌をとるのだ。」
「本とうかい。それは。」黒猫がどなりました。
「本とうですとも。お調べになってごらんなさい。」三毛猫が口を尖せて云いました。
「けしからん。あいつはおれはよほど目をかけてやってあるのだ。よし。おれにも考えがある。」
そして事務所はしばらくしんとしました。
“为什么、为什么灶猫它,”三毛猫说,“最近总是被各方邀请呢。好像它还把‘我要当所长’之类的话挂在嘴边。所以那些蠢货才信以为真,开始费尽心思讨它欢心了吧。”
“你说的都是真的吗?”黑猫怒吼道。
“千真万确。您可以去调查。”三毛猫撅起嘴答道。
“荒唐!亏我还那么关照那家伙。好吧,既然如此,我也有我的对策。”
接下来,事务所陷入一片短暂的沉寂。
主播 | 小执
小编 | reno
责编 | 日语之声
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